日本骨代謝学会

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ASBMR 2016 レポート
入江 泰正(広島大学大学院医歯薬保健学研究科)

入江 泰正

この度、アトランタで開催されましたASBMR 2016に参加する機会をいただきましたので、報告させていただきます。本学会は私にとりましては初めての国際学会デビューでもあり、プログラムの随所で最新の知見を学ぶことができた非常に密度の濃い4日間でした。今回は、以下の2題についてご紹介させていただきます。

紹介演題 [1]
Sclerostin: a Local Rather Than Systemic Regulator of Bone Mass

研究グループ

Paul A. Baldock 先生の研究グループ(オーストラリア)

サマリー&コメント

このグループは、局所で作用するスクレロスチンの影響を調べるため、Prrx1-Creマウスを作製し、同マウスのlimbを解析してスクレロスチンの局所作用の意義を報告しました。発表後、Prrx1が頭蓋、前胸部などでも発現することについて議論となりましたが、局所の骨代謝制御を理解す上で重要な報告ではないかと思いました。

紹介演題 [2]
MicroRNA miR-23a Cluster Promotes Osteocyte Differentiation by Regulating Prdm16/TGF-b Signaling in Osteoblasts

研究グループ

Brendan Lee先生(米国)の研究グループ

サマリー&コメント

Col1a1-miR23aCマウスとmiRNAデコイを過剰発現させたマウスを作製し、in vivoでmiR-23aがPrdm16を標的として骨細胞分化を制御していることを示されました。miRNAの遺伝子改変マウスの作製はいくつかの点で制約を受けるようですが、このグループはmiR23aのPrdm16への結合を阻害する最もよいデコイの配列を検索し、miR23aの機能喪失マウスの作製に成功した事例かと思われます。随所に工夫が見られ、大変勉強になりました。

このような機会を通じて得られた貴重な経験を今後に生かしていきたいと思います。