骨芽細胞が産生する局所のOsteoprotegerinは骨吸収を抑制する
Local Production of Osteoprotegerin by Osteoblasts Suppresses Bone Resorption
著者: | Cawley KM, Bustamante-Gomez NC, Guha AG, et al. |
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雑誌: | Cell Rep. 2020, 32: 108052. |
- OPG
- 骨芽細胞
- 骨細胞
論文サマリー
OPGはRANKLを阻害する可溶型デコイ受容体である。これまでに骨細胞がRANKLの重要な供給源であることが示されているが、OPGの供給源は不明であった。著者らは、機能的に重要なOPGの供給源を同定するため、OPGをコードするTnfrsf11bを様々な細胞集団で欠失させた。これまで一般的にOPGの供給源と考えられてきたBリンパ球や骨細胞におけるOPGの欠失は定常状態における骨量にほとんど、もしくは全く影響を及ぼさなかった。対照的に、骨芽細胞におけるTnfrsf11bの欠失は血中OPG濃度には変化がない一方、生殖細胞からの欠失と同様のレベルで骨吸収の増加と骨量の減少に至り、局所における骨芽細胞のOPG発現が骨吸収制御に必要不可欠であることが明らかになった。以上の結果から、骨芽細胞は骨マトリクスの産生に加え、RANKL 活性を抑制することにより骨リモデリングサイクルの吸収期を終了させる役割を果たしていることが示唆された。
推薦者コメント
同一号のCell Rep誌に骨を含む様々な組織における局所OPG供給源の重要性が報告されている(Tsukasaki M et al., Cell Rep. 2020, 32: 108124)。これら二報の論文によって、長年議論されてきたOPGの供給源が明らかにされた。(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科分子情報伝達学分野・林 幹人)