マクロファージはLRP1などの因子を分泌し骨折治癒を促進する
Macrophage cells secrete factors including LRP1 that orchestrate the rejuvenation of bone repair in mice.
著者: | Vi L,Baht GS,Soderblom EJ,et al. |
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雑誌: | Nat Commun.2018;9:5191. |
- 骨折治癒
- マクロファージ
- LRP1
論文サマリー
骨折治癒は加齢に伴い遅くなることが知られている.著者らは加齢と骨折治癒遅延を結ぶメカニズムを解析した.老齢マウスと若齢マウスに骨折を施し治癒過程を解析したところ,若齢マウス由来のマクロファージが分泌する因子に骨形成促進を介した骨折治癒促進作用があることが明らかになった.若齢マウスのマクロファージが分泌する因子の網羅的解析からLRP1が見出された.マクロファージ特異的Lrp1欠損マウスでは骨折治癒が遅延し,マクロファージ由来のLRP1の骨折治癒への重要性が示された.
推薦者コメント
加齢に伴う様々な疾患の発症や増悪に免疫老化が関与することが明らかにされてきた.骨折治癒における免疫細胞やサイトカインの重要性はこれまでの研究から明らかであるが,免疫老化が骨折治癒におよぼす影響には不明な点が多い.本研究により,他の免疫細胞の老化の影響について検討することの必要性が示唆された.(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科分子情報伝達学・小野 岳人)