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顎骨再生においては力学刺激応答性の幹細胞が神経堤細胞の形質を獲得する

Mechanoresponsive stem cells acquire neural crest fate in jaw regeneration.
著者:Ransom RC,Carter AC,Salhotra A,et al.
雑誌:Nature.2018;563:514-52.
  • メカニカルストレス
  • 幹細胞
  • 再生

論文サマリー

 骨格幹細胞(SSC)のキャラクタリゼーションが近年大きく進んできたが,SSCの分化とメカニカルストレスの関係には不明な点が多い.著者らは,マウス下顎骨の骨延長モデルを作出し,骨形成部のSSCに対するメカニカルストレスの影響を解析した.骨延長部ではSSCが増殖し,FAKシグナル依存的に神経堤特異的エンハンサーが活性化し,神経堤細胞マーカーの発現が認められた.以上より,顎骨の骨延長ではSSCが神経堤細胞の形質を獲得し,骨形成を誘導することが示された.

推薦者コメント

 著者らは近年マウスやヒトのSSCの同定に取り組んできた.本研究ではSCCのメカニカルストレスに対する応答を様々な解析手法を駆使し,詳細に解析した.その結果SSCがメカニカルストレスに応答し神経堤細胞様の形質を獲得することを示した.そのような形質を獲得することにどのような意義があるのかが興味深い点である.(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科分子情報伝達学・小野 岳人)