SIRT7はSP7/Osterixにおけるリシンのアシル化を調節することにより骨形成に重要な役割を担う
SIRT7 has a critical role in bone formation by regulating lysine acylation of SP7/Osterix.
著者: | Fukuda M,Yoshizawa T,Karim MF,et al. |
---|---|
雑誌: | Nat Commun.2018;9:2833. |
- 骨芽細胞
- SIRT7
- Osterix
論文サマリー
Osx(Osterix)は,骨芽細胞の分化に必須の転写因子である.しかし,その翻訳後の修飾が転写活性並びに骨芽細胞分化に与える影響についてはよくわかっていない.本論文では,骨芽細胞におけるサーチュイン(SIRT)7が,骨量の維持に必須であることを示した.SIRT7は,OsxのZinc-finger領域における368番リシン残基を脱アシル化し,転写活性を上昇させる.さらに,以上の脱アシル化はSIRT1が発揮する,Osxの転写活性化領域の脱プロピオニル化作用を促進する.その結果,Osxの転写活性が亢進する.
推薦者コメント
長寿遺伝子サーチュインが,骨量の維持に必須であることを証明した重要な報告である.著者らは,マウス骨組織におけるSIRT7のレベルが,加齢により減少することも示している.興味深いことに,Osxの上流に位置するRunx2のレベルもSIRT7の欠損により低下した.さらに広範なSIRT7による骨量維持機構が予想され,今後の展開が期待される.(東京歯科大学口腔科学研究センター・溝口 利英)