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RANKL逆シグナルによる骨吸収と骨形成の共役

Coupling of bone resorption and formation by RANKL reverse signalling.
著者:Ikebuchi Y,Aoki S,Honma M,et al.
雑誌:Nature.2018;561:195-200.
  • RANKL逆シグナル
  • 骨芽細胞
  • カップリング

論文サマリー

 RANKLは骨芽細胞や骨細胞により産生され,破骨前駆細胞上の受容体RANKと結合することで,破骨細胞への運命を決定する.筆者らは,破骨細胞が分泌する膜小胞中のRANKが骨芽細胞上のRANKLと結合することでRANKL逆シグナルを活性化し,骨形成を促進することを見い出した.この逆シグナルにはRANKL細胞内ドメインのプロリンリッチモチーフが必要であった.Pro29の点変異を導入したマウスでは,RANKL投与後やOPGヘテロ条件下など,骨代謝回転が亢進した状態において骨形成の有意な低下が認められた.以上より,骨芽細胞上のRANKLは小胞型RANKを認識する共役シグナルの受容体として働くことで,骨代謝に寄与すると考えられた.

推薦者コメント

 RANKL逆シグナルの存在は,共存培養の実験やRANKL結合ペプチドの骨形成促進作用から想定されていたが,その分子実態は長い間謎であった.今回著者らの詳細な解析により,RANKL逆シグナルの骨芽細胞分化促進機序が示された.RANKL/RANK経路は骨代謝調節以外にも多彩な機能を有しており,逆シグナルが他のシステムでも機能し得るのか興味深い.(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科細菌感染制御学・塚崎 雅之)