IL-17産生γδ T細胞は骨の再生を促進させる
IL-17-producing γδ T cells enhance bone regeneration.
| 著者： | Ono T, Okamoto K, Nakashima T, et al : |
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| 雑誌： | Nat Commun. 2016 Mar 11;7:10928. doi: 10.1038/ncomms10928. |
論文サマリー
骨折後には炎症が惹起されることが知られているが，著者らはIL-17Aを産生するγδ T細胞がマウスのドリルホール骨折モデルの骨欠損・骨折部にリクルートされ，骨芽細胞を活性化することで骨折治癒を促進させることを報告している．IL-17A欠損マウスでは骨折治癒が損なわれていた．IL-17Aは受容体を発現する間葉系細胞に作用し，増殖や骨芽細胞分化を促進させた．
推薦者コメント
内軟骨性骨化においても同様の機構が働いているか知りたいところであるが，骨折に伴って発生する炎症の骨折治癒における役割について，機能細胞のサブセットと機能分子を同定し，その分子メカニズムを示し得た点が評価される．骨折治癒では間葉系細胞の活性化が早い段階で起こっている可能性が考えられる．（慶應義塾大学医学部整形外科 特任准教授・宮本 健史）