破骨細胞由来exosomal miR-214-3pは骨芽細胞による骨形成を抑制する
Osteoclast-derived exosomal miR-214-3p inhibits osteoblastic bone formation.
著者: | Li D, Liu J, Guo B, et al : |
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雑誌: | Nat Commun. 2016 Mar 7;7:10872. doi: 10.1038/ncomms10872. |
論文サマリー
破骨細胞由来miR-214-3pが骨芽細胞による骨形成を抑制することを報告している.miR-214-3pは高齢の骨折患者とOVXマウスで上昇を認め,骨形成と逆相関していた.破骨細胞特異的miR-214-3p過剰発現マウスでは骨形成の低下が起こり,それはmiR-214-3p阻害剤の投与で回復した.破骨細胞由来miR-214-3は骨芽細胞に取り込まれ骨芽細胞の骨形成を抑制することが示された.miR-214-3p阻害剤の投与は加齢したOVXマウスの骨形成を回復させた.
推薦者コメント
miR-214-3pが破骨細胞由来であるのか,骨吸収ののちに骨形成を低下させる生理的な意義,破骨細胞における発現制御機構,など解決すべき課題はあるものの,破骨細胞で発現されたmiRNAが骨芽細胞に移行され,骨形成を抑制するという,新たな破骨細胞・骨芽細胞相互作用の解明が評価される.(慶應義塾大学医学部整形外科 特任准教授・宮本 健史)