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ゲノム遺伝子とトランスクリプトームの統合的解析による,女性BMDに関与する機能的遺伝子候補の同定

Integrative Analysis of Genomics and Transcriptome Data to Identify Potential Functional Genes of BMDs in Females.
著者:Chen YC, Guo YF, He H, et al :
雑誌:J Bone Miner Res. epub, 2015. doi: 10.1002/jbmr.2462

論文サマリー

骨粗鬆症関連遺伝子の報告として入手可能な最大のGWASデータ(GEFOS-2 : Nat Genet 2012)および84人の閉経後女性の骨生検標本を用いた発現アレイ解析データを用いて,WGCNA(weighted gene co-expression network analysis)という手法によりBMD決定遺伝子候補を探索した.GWASから得られたBMD関連候補遺伝子群の共発現パターンを調べ,候補となる発現ネットワークモジュールを同定し,特に重要と考えられるモジュールのコア遺伝子として新規のHOMER1を含む候補遺伝子を報告した.

推薦者コメント

これまでの複数のGWASで同定された遺伝子を全て考慮しても,骨密度を規定する遺伝的要因の数%しか説明し得ないとされている.SNV解析で解明できない要因として遺伝子間相互作用がある.本論文は複数遺伝子の機能的相互作用・関連に注目して新しい候補遺伝子の同定に成功した例である.(帝京大学ちば総合医療センター第三内科 内分泌代謝研究室 教授・井上 大輔)