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骨格筋中に存在する間葉系幹細胞と骨形成

Skeletal Muscle-Resident MSCs and Bone Formation.
著者:Lemos DR, Eisner C, Rossi FMV:
雑誌:Bone. 2015 Nov;80:19-23. doi: 10.1016/j.bone.2015.06.013. Epub 2015 Jun 21.

論文サマリー

骨と筋肉は,両組織が由来する発生過程の体節中,そして生後の筋肉の収縮による骨形態への関与において相互作用していることが知られている.近年,筋肉組織中の間葉系幹細胞(MSC)が骨折の治癒や異所性骨形成へ関与することが示唆されている.本総説では,このMSCが骨芽細胞へと分化すること,この事象がin vivoでは骨折などの非生理的な環境で認められること,非生理的な環境での炎症性サイトカインがMSCを遊走させること,などを示唆する論文を紹介している.

推薦者コメント

新たな骨組織の前駆細胞(幹細胞)の存在を強く示唆する総説となっており,前紹介論文と併せると,骨組織の形成や再生の過程にはいまだ解明されていない部分が多くあり,さらなる研究が必要であることが理解できる.(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科顎顔面機構制御学講座分子発生学分野 教授・井関 祥子)