マウス骨格幹細胞の同定とその性質
Identification and specification of the mouse skeletal stem cell.
著者: | Chan CK, Seo EY, Chen JY, et al : |
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雑誌: | Cell 160 : 285-298, 2015 |
論文サマリー
マウス間葉系幹細胞の幹細胞としての性質や機能,単離法などに関してはいまだ不明な点が多く残されていた.大腿骨成長板の細胞をFACSによって解析し,マイクロアレイ解析によって同定した4つの表面マーカーの異なる発現パターンから8つのサブポピュレーションに分画し,腎被膜下移植とin vitroでの分化能解析によってCD45–Ter-119–Tie2–αV integrin+Thy–6C3–CD105–CD200+のポピュレーションが,自己複製能と多分化能というマウス骨格幹細胞(mSSC)としての性質を有することがわかった.
推薦者コメント
本報告は,上記のほかにもmSSCとそれらから分化した細胞間でパラクライン・オートクラインによる制御機構が存在し,mSSC自身のニッチの一部を構成していることなど,非常に多くの知見を見い出している.(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科分子情報伝達学 助教・林 幹人)