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アプタマー官能化脂質ナノパーティクルによる骨芽細胞をターゲットとしたRNAiによる新規骨同化戦略

Aptamer-functionalized lipid nanoparticles targeting osteoblasts as a novel RNA interference–based bone anabolic strategy.
著者:Liang C, Guo B, Wu H, et al :
雑誌:Nat Med 21(3) : 288-294, 2015

論文サマリー

cell-SELEX法によって骨芽細胞が特異的なターゲットであるCH6アプタマーを選出し,骨化誘導性であるPlekho1に対するsiRNAを封入したCH6アプタマー官能化脂質ナノパーティクル(CH6-LNPs-siRNA)を開発した.これは主にマクロピノサイトーシスによって骨芽細胞選択的に取り込まれ,CH6-LNPs-siRNA の投与でShamとOVX処置を行ったどちらのラットにおいても,骨芽細胞特異的なPlekho1のサイレンシングによって骨形成の促進による骨量の上昇などがみられることを明らかにした.

推薦者コメント

CH6-LNPs-siRNAが骨同化作用をもつ新たな治療法としての可能性を示しているが,マクロピノサイトーシスはさまざまな細胞でも起こるにもかかわらずなぜ骨芽細胞特異的なのか,本報告で調べられた組織は限られており,全臓器で本当に骨特異的なのか,またPlekho1発現抑制による骨形成促進メカニズムなど,問題点は数多く残されている.(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科分子情報伝達学 助教・林 幹人)