iPS細胞を用いた家族性癌モデル
Modeling familial cancer with induced pluripotent stem cells.
著者: | Lee DF, Su J, Kim HS, et al : |
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雑誌: | Cell 161(2):240-254, 2015 doi: 10.1016/j.cell.2015.02.045. |
論文サマリー
Li-Fraumeni症候群の患者からiPS細胞を作製し,骨肉腫発生におけるp53変異の役割を解析した.患者由来iPS細胞から得られた骨芽細胞は,分化の欠如,腫瘍形成能を有する点で,骨肉腫を再現していた.患者骨芽細胞ではH19上昇が障害され,H19を導入することで骨芽細胞分化や腫瘍抑制作用が促進された.ヒトインプリント遺伝子ネットワークの統合解析によって,H19はDecorinを介してLFS関連骨肉腫の発生を抑制することが明らかとなった.
推薦者コメント
癌をはじめとするさまざまな疾患患者のiPS細胞を作製し,in vitroおよびin vivoでそれら細胞の生理的・分子生物学的機構を分析することができるようになり,これまで困難であった疾患の知見が深まり,新たな治療法開発につながる可能性が見い出されている.(岐阜大学大学院医学系研究科整形外科学 教授・秋山 治彦)