日本骨代謝学会

The Japanese Society for Bone and Mineral Reserch

入会・変更手続
The Japanese Society for Bone and Mineral Reserch

Event/イベント情報

Book/関連書籍のご案内

member/会員ページ

Brave heart

TOP > Hot paper > 溝口 利英

軟骨形成細胞の一部が骨の成長期における早期の骨髄間葉系前駆細胞に寄与する

A subset of chondrogenic cells provides early mesenchymal progenitors in growing bones.
著者:Ono N, Ono W, Nagasawa T, et al :
雑誌:Nat Cell Biol 16(12) : 1157-1167, 2014

論文サマリー

以前,骨の成長過程においてOsx(Osterix)を発現する細胞の一部が,成体の骨髄間葉系幹細胞(BM-MSC)に寄与することが報告された(Dev Cell 29 : 340-349, 2014).本論文では,骨の成長期における軟骨形成細胞(Ⅱ型コラーゲン,Sox9,アグリカン陽性)が,Osx陽性細胞の上流に位置することを示した.さらに,この細胞集団は成長期では成体におけるBM-MSCを介さずに骨芽細胞を供給することが示唆された.一方,成長期から成体期に移行した後,骨芽細胞をはじめとした骨髄間葉系細胞の供給源はBM-MSCにシフトすることが考察された.

推薦者コメント

成長期における骨芽細胞は成体のBM-MSC以外の細胞に由来することが示唆されていたが,その同定には至っていなかった(Cell Stem Cell 15 : 154-168, 2014).本研究より,その細胞集団が見い出され,発生から成体期における骨髄間葉系細胞の階層構造の詳細が明らかになった.(松本歯科大学総合歯科医学研究所硬組織疾患制御再建学部門 講師・溝口 利英)