高齢者2型糖尿病患者のHbA1cレベルと大腿骨近位部骨折のリスク：台湾糖尿病コホート研究におけるリスク解析
Glycated Hemoglobin Level and Risk of Hip Fracture in Older People with Type 2 Diabetes ; A Competing Risk Analysis of Taiwan Diabetes Cohort Study.
| 著者： | Li CI, Liu CS, Lin WY, et al : |
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| 雑誌： | Res. epub, 2015. doi: 10.1002/jbmr.2462 |
論文サマリー
台湾のデータベースを用いた65歳以上の2型糖尿病患者20,025人の後ろ向きコホート解析（平均フォローアップ期間：7.41年）により，HbA1cが〜6, 6〜7, 7〜8, 8〜9, 9〜10, 10〜％の群における大腿骨近位部骨折のリスクは9.15，8.02，9.58，10.61，12.51，13.43 /1,000人･年とHbA1c依存的に増加することが示された．6〜7％群と比べて9〜10, 10〜％群の補正ハザード比は1.24（95%CI：1.02-1.49），1.32（95%CI：1.09-1.58）と有意に高かった．
推薦者コメント
糖尿病は骨折リスクを増加させるが，血糖コントロールと骨折リスクとの関連を示す成績は驚くほど乏しい．本研究によりベースラインのHbA1c値とパラレルに大腿骨近位部骨折のリスクが高まることが明らかとなった．しかし，本研究の〜6％群でも示唆されたように過度に強力なコントロールが骨折にも有害かどうかは検討課題として残る．（帝京大学ちば総合医療センター第三内科 教授・井上 大輔）