ヒトPTH関連蛋白（PTHrP）のアナログであるAbaloparatideは閉経後女性骨粗鬆症患者のBMDを増加させる
Effects of abaloparatide, a human parathyroid hormone-related peptide analog, on bone mineral density in postmenopausal women with osteoporosis.
| 著者： | Leder BZ, O'Dea LS, Zanchetta JR, et al : |
|---|---|
| 雑誌： | J Clin Endocrinol Metab 100 : 697-706, 2015 |
論文サマリー
222人の閉経後骨粗鬆症患者を対象に，ヒトPTHrP1-34アナログabaloparatide（ABL）の用量設定試験［20, 40, 80μg/日，テリパラチド（TPTD）20μg/日，sc］を施行した．24週間の投与により各群は腰椎BMDを2.9，5.2，6.7，5.5％，大腿骨近位部BMDを1.4，2.0，2.6，0.5％増加させた．ABL 40，80μg群ではP1NPの増加はTPTDと同等でCTXの増加は軽度であった．ABLは皮質骨にも有効でより純粋な骨形成促進薬である可能性がある．
推薦者コメント
PTHrPとPTHのN端はホモロジーが高く共通の受容体PTHR1に結合するが，その様式が一部異なる．ヒトPTHrP1-36やABLはTPTDの類似薬として開発が進められているが，TPTDに比して骨吸収促進活性が弱いことが示唆されており，より有効な骨形成促進薬として期待されている．（帝京大学ちば総合医療センター第三内科 教授・井上 大輔）