Wnt4はNF-kBを抑制することで、加齢に伴う骨量減少と炎症を抑制する
Wnt4 signaling prevents skeletal aging and inflammation by inhibiting nuclear factor-κB.
著者: | Yu B, Chang J, Liu Y, Li J, Kevork K, Al-Hezaimi K, Graves DT, Park NH, Wang CY. |
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雑誌: | Nat Med. 2014 Aug 10. doi: 10.1038/nm.3586. |
- Wnt4
- 非古典経路
- 破骨細胞
論文サマリー
骨量に及ぼすWnt4の効果を明らかにするため、2.3kb I型コラーゲンプロモータ下でWnt4を発現するマウス(Wnt4TG)を解析した。Wnt4TGでは、骨組織でのNF-κBの活性化が抑制されるため、骨形成が亢進し、骨吸収が抑制された。これにより、TNF-αの過剰発現、加齢、卵巣摘出による骨量減少が有為に抑制された。Wnt4のシグナルは、破骨細胞前駆細胞においてTRAF6とTAK1の結合を阻害し、RANKLによる破骨細胞形成を抑制した。
推薦者コメント
Wnt4がβ-カテニンシグナルを介さず、破骨細胞の分化を抑制し、骨芽細胞を促進することを示しており、興味深い。Wnt4下流のどの分子が、NF-κBの抑制やTRAF6とTAK1の結合阻害に関与するか、今後の進展が楽しみである。(松本歯科大学総合歯科医学研究所硬組織解析学・小林 泰浩)