骨芽細胞への分化後のRunx2欠失は、生後の骨格形成を阻害する
Loss of Runx2 in Committed Osteoblasts Impairs Postnatal Skeletogenesis.
著者: | Adhami MD, Rashid H, Chen H, Clarke JC, Yang Y, Javed A. |
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雑誌: | J Bone Miner Res. 2014 Jul 31. doi: 10.1002/jbmr.2321. |
- Runx2
- Col1a1-Cre
- 骨芽細胞
論文サマリー
Runx2の最後のエクソン8にfloxを導入し、Col1a1 Creマウスと交配、エクソン8を骨芽細胞特異的に欠失させたマウスでは、胎生期での石灰化の低下、特に頭蓋冠の骨形成の低下が認められた。さらに、1ヶ月齢、3ヶ月齢で海綿骨および皮質骨での著明な骨量の低下および骨形成の低下を認めた。さらに破骨細胞の減少も認められた。一方、すでに発表されているRunx2のruntドメインを同じ出所のCol1a1 Creで欠失させたマウスでは、3週齢、6週齢で全く表現系を認めていない(Takarada et al., JBMR 28:2064, 2013)。
推薦者コメント
Runx2のエクソン8の欠失では、Runx2の機能はある程度残っている。しかし、完全に機能欠損させたruntドメインの骨芽細胞特異的欠失で表現系を認めなかったのに対し、非常に明確な表現系が出ている。多分同じ出所のCol1a1 Cre マウスといえども、その発現が異なるのであろう。骨芽細胞の分化段階のどの段階でCre が発現しだすかを明確にすることは困難であり、コンディショナルノックアウトの限界となっている(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科細胞生物学分野・小守 壽文)