軟骨下骨に存在する間葉系幹細胞のTGF-bシグナル伝達の阻害は変形性関節症を改善させる
Inhibition of TGF-β signaling in mesenchymal stem cells of subchondral bone attenuates osteoarthritis.
著者: | Zhen G et al. |
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雑誌: | Nat Med. 2013 Jun;19(6):704-12. |
- 間葉系幹細胞
- TGF-β
- 変形性関節症
論文サマリー
変形性関節症(OA)の病態において軟骨組織の恒常性維持に必須であるTGF-βが疾患増悪因子であることが示唆され注目されている。作者らはOAモデル動物とヒトOAの軟骨下骨部において活性型TGF- βの増加と同時にOAの特徴である血管新生と骨棘形成の原因となる間葉系幹細胞(MSC)の増加を見いだした。OAモデル動物にTGF- β1受容体阻害薬の全身投与または軟骨下骨部への抗TGF抗体局所投与により血管新生、MSC増加と軟骨破壊が抑制され、今後のOA治療において軟骨下骨部におけるTGF-β阻害の有用性を示唆した。
推薦者コメント
本論文はTGF-βが軟骨下部では疾患増悪因子として機能することを証明し、OAの治療戦略を考える上で大変重要な論文である。一方で、1サイトカインの生物活性がたった1つの関節内においても異なる事を証明しており、drug delivery systemの重要性を示唆している。(産業医科大学医学部第1内科学講座・山岡 邦宏)