X染色体優性低リン血症患者に対する抗FGF23抗体の無作為化臨床試験
Randomized trial of the anti-FGF23 antibody KRN23 in X-linked hypophosphatemia.
著者: | Carpenter TO et al. |
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雑誌: | J Clin Invest 124(4):1587-1597,2014 |
- FGF23
- くる病
- 低リン血症
論文サマリー
X染色体優性低リン血症(XLH)は、遺伝性低リン血症性くる病の中で最も頻度の高い疾患であり、過剰なFGF23活性により惹起されることが明らかにされた。38名の成人XLH患者を対象とした本フェーズI臨床試験により、抗FGF23抗体の単回投与が、XLH患者の血中リンや1,25-水酸化ビタミンD濃度を上昇されるものの、高カルシウム(Ca)血症や高Ca尿症、腎機能の低下は惹起しないことが明らかにされた。
推薦者コメント
反復投与によるより長期の安全性や臨床的有用性の確認が必要であるが、抗FGF23抗体などによるFGF23作用の阻害は、XLHを始めとするFGF23関連低リン血症性疾患の新たな治療法として有望である。(東京大学・福本 誠二)