Oestrogen increases haematopoietic stem-cell self-renewal in females and during pregnancy.
| 著者： | Nakada D, Oguro H, Levi BP, Ryan N, Kitano A, Saitoh Y, Takeichi M, Wendt GR, Morrison SJ. |
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| 雑誌： | Nature 505, 555-558, 2014. |
- 造血幹細胞自己複製
- 卵巣
- エストロゲン
論文サマリー
マウス造血幹細胞が、エストロゲンによる細胞周期調節において性差を示すことを証明した論文。雄雌どちらの造血幹細胞も高いレベルでERαを発現しており、エストロゲンに反応して分裂頻度が増加する。雄と比べて造血幹細胞の分裂頻度が高い雌での卵巣摘出術にて、この分裂頻度は雄と同じレベルまで低下する。ERα遺伝子欠損では、造血幹細胞の分裂頻度は雌のみで低下する。雌マウスの妊娠ではエストロゲンレベルは上昇し、造血幹細胞の分裂頻度の増加や脾臓での赤芽球系造血の増加が見られる。
推薦者コメント
骨代謝フィールドでは骨芽細胞系列でのERαの研究が盛んである。本論文では、その骨芽細胞系列をニッチとする造血幹細胞にもERαが発現しており、雌マウスでの卵巣を介した新たな多臓器連関を示した論文。造血幹細胞とその微小環境へのエストロゲンの作用の違いに注目すると、より興味深い。（神戸大学医学部附属病院血液内科 片山 義雄）