血中AGEs(CML: carboxy-methyl-lysine)レベルは,大腿骨近位部骨折リスクに関係する.
Circulating levels of carboxy-methyl-lysine (CML) are associated with hip fracture risk: The cardiovascular health study
著者: | Barzilay JI, et al. |
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雑誌: | J Bone Mine Res, 2013, in press, doi 10.1002/jbmr.2123 |
- bone quality
- collagen cross-links
- FTIR
論文サマリー
終末糖化産物(Advanced glycation end products: AGEs)は加齢と共に種々の組織に蓄積し,組織を硬く脆弱にするのと同時に,細胞上の受容体(Receptor of AGEs; RAGE)を介して加齢性疾患の発症,進展に関与する.骨基質中のAGEsの代表的構造体であるペントシジンはコラーゲンに過剰な架橋化を誘導し骨折リスクを高めることが知られている.本報告では,AGEs構造体でも架橋を作らないCMLの血中濃度の高値が新規の大腿骨近位部骨折発生の危険因子になるとしている.Cardiovascular Health Studyに参加した3273名(平均78歳)における調査.CMLもペントシジンも糖化より酸化ストレスの増大で誘導されるAGEsであることから,骨粗鬆症の病態における酸化ストレスの関与が強く影響を及ぼしていると言える.(東京慈恵会医科大学 整形外科 斎藤充)