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TOP > Hot paper > 中島 友紀

新規の間葉系前駆細胞におけるPtpn11の欠損はヘッジホッグシグナルを誘導することでメタコンドロマトーシスを引き起こす

Ptpn11 deletion in a novel progenitor causes metachondromatosis by inducing hedgehog signalling.
著者:Yang W et al
雑誌:Nature.499(7459):491-5, 2013 Jul 25
  • カテプシンK
  • Shp2/Ptpn11
  • 間葉系前駆細胞

論文サマリー

軟骨周囲に存在するランヴィエ軟骨膜溝と呼ばれる領域の細胞にCtskが発現していることが新たに見出され、カテプシンK(Ctsk)-Creを用いたShp2(Ptpn11)のCtsk発現細胞特異的ノックアウトマウスがメタコンドロマトーシス(中軟骨腫症)様の表現型を示すことがわかった。これらのマウスの軟骨腫ではERKの活性が低下しており、IhhやPthrpの発現が上昇していた。さらに、Ihh下流のSmoothened阻害剤を使用することで中軟骨腫症の発症を抑える事ができた。
今後、カテプシンK阻害剤の軟骨に対する影響についても慎重に検討する必要性が示唆された。

推薦者コメント

カテプシンKが破骨細胞系列以外の細胞でも発現することを示しており、今後、このCreマウスを使用する際には十分注意を払って解析する必要がある。また、通常の腫瘍では形成を促進的に機能するShp2がこの場合では抑制的に機能することも興味深い。(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科分子情報伝達学・中島友紀)