クロロキンは、TRAF3タンパク質の分解を阻害して、マウス骨粗鬆症における破骨細胞形成を抑制する
Chloroquine reduces osteoclastogenesis in murine osteoporosis by preventing TRAF3 degradation
著者: | Xiu et al |
---|---|
雑誌: | J Clin Invest 124:297-310 |
- 破骨細胞
- クロロキン
- NF-κB
論文サマリー
RANKLならびにTNFαは、古典的および非古典的NF-κBシグナル経路を活性化し、破骨細胞形成あるいは骨吸収を促進する。最近、非古典的NF-κBシグナル経路のメディエーターであるp100がTNFαによる破骨細胞分化促進作用をTRAF3依存性に阻害することが示されたが、その分子メカニズムは不明であった。本研究は、1)RANKLがオートファージー系を介してTRAF3を分解すること、2)オートファジー阻害剤クロロキンが破骨細胞形成ならびに破骨細胞性骨吸収を抑制することを示した。
推薦者コメント
欧米ではクロロキン誘導体が、関節リウマチの治療薬として用いられている。本研究は、その分子作用機序を示唆するもので興味深い。クロロキンのオートファジーに対する分子特異性の詳細が明らかになれば、クロロキンの破骨細胞性骨吸収疾患に対する臨床的意義と有用性への理解が深まると期待される(大阪大学大学院歯学研究科口腔分子免疫制御学講座生化学教室・西村理行)