日本骨代謝学会

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テリパラチド連日投与において,腰椎BMD増加率に影響を与える因子

Determinants associated with bone mineral density increase in response to daily teriparatide treatment in patients with osteoporosis
著者:Niimi R, Kono T, Nishihara A, Hasegawa M, Matsumine A, Kono T, Sudo A.
雑誌:Bone. 2014 Jun 5;66C:26-30. doi: 10.1016/j.bone.2014.05.017.
  • 骨粗鬆症
  • テリパラチド
  • 骨密度

新美 塁

論文サマリー

テリパラチド連日投与では,ビスホスホネート製剤(以下;ビス製剤)先行投与,治療開始時の腰椎BMD,治療開始時P1NPなど,いくつかの因子が将来の腰椎BMD増加に関係することが報告されている。しかし,過去の研究は単一因子に対する解析に重点が置かれていたため,多因子を包括的に検討した研究はほとんどなかった。そこで,われわれは腰椎BMD増加に関係する因子を包括的に検討した。対象は,テリパラチド連日製剤による治療を開始した448例のうち,12ヵ月間の治療を継続できた306例である。テリパラチドの投与は20μg/日を皮下注射した。腰椎BMDを治療開始時と12ヵ月後に評価した。そして,腰椎BMD増加率や増加量に関係する因子を単変量及び多変量解析を用いて評価した。評価項目は,年齢・性別・身長・体重・BMI・体表面積・ビス製剤先行投与の有無・既存椎体骨折の有無・治療開始時腰椎BMD・治療開始時血清カルシウム・治療開始時血清P1NPであった。統計解析にはSpearmanの順位相関係数,Mann-Whiteney U検定,重回帰分析を行い,有意水準を5%とした。12ヵ月の治療で腰椎BMDは9.8±8.2%(平均±標準偏差)増加した。単変量解析にて腰椎BMD増加率に関係する因子はBMI,治療開始時BMD,ビス製剤先行投与の有無,治療開始時血清P1NPであった。多変量解析では,治療開始時BMD,治療開始時血清P1NPのみに相関を認め,BMIやビス製剤先行投与の有無は腰椎BMD増加率に相関していなかった。一方、増加量は、単変量解析では治療開始時BMD,ビス製剤先行投与の有無,治療開始時血清P1NPが関係する因子であった。多変量解析では,治療開始時血清P1NPのみに相関を認めた。今回の結果から治療開始時の腰椎BMDが低い症例や血清P1NPが高値の症例で,腰椎BMD増加率が高いことが判明した。また,治療開始時の血清P1NPが高値の症例で腰椎BMD増加量が大きいことも判明した。さらに,多変量解析の結果より,ビス製剤先行投与の有無は,腰椎BMD増加率や増加量に関係しないことが明らかとなった。テリパラチド連日製剤による治療では,ビス製剤投与の有無が治療効果予測に大切ではなく,治療開始時の骨代謝の状態が腰椎BMD増加に強く関係していることが示唆された。血清P1NPが高値の症例で腰椎BMD増加量が大きいことから,血清P1NPが高値の症例の方がテリパラチドに強く反応するのではないかと推測された。

新美 塁

著者コメント

テリパラチド連日投与と骨密度変化の関係について,特にビス製剤先行投与が悪影響を与えるという趣旨の報告は多くあります。しかし実際に治療しているとビス製剤先行投与が必ずしも骨密度増加に悪影響を与えていない症例が多くあると思いました。今回の研究で,その点明らかとなり良かったと思います。
初回投稿時には腰椎骨密度10%の増加をターゲットとしてオッズ比を求め,より臨床に役立つ情報を提供しようとしていましたが,査読過程での削除を余儀なくされたり,他にも返答に困る指摘があったり等、折衝に苦労しました。しかし,こうしてFirst authorに取り上げて頂くことも出来,論文が採用されて良かったと思います。
私の所属する富田浜病院は小さな病院ですが骨粗鬆症治療を熱心に行っております。また病院を挙げて研究に取り組んでおります。私にも常時10名以上のスタッフをつけて貰い,必要に応じて更にスタッフを追加して同時にいくつもの研究が行えるような環境が用意されております。この場を借りて御礼申し上げます。また,様々な過程で支援して頂く三重大学の湏藤教授,スタッフの方々にも御礼申し上げます。 (富田浜病院整形外科・新美 塁)

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