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関節リウマチ患者と閉経後骨粗鬆症患者に対する18か月間のテリパラチド連日投与製剤の効果の比較検討

Comparison of the effect of 18-month daily teriparatide administration on patients with rheumatoid arthritis and postmenopausal osteoporosis patients.
著者:Ebina K, Hashimoto J, Shi K, Kashii M, Hirao M, Yoshikawa H.
雑誌:Osteoporos Int. 2014 Dec;25(12):2755-65. doi: 10.1007/s00198-014-2819-x. Epub 2014 Aug 1.
  • テリパラチド
  • 関節リウマチ
  • 骨粗鬆症

蛯名 耕介

論文サマリー

関節リウマチ患者(以下RA)においては健常者と比較して骨折リスクが約3~6倍と高率であり、また骨量の減少が関節破壊の進行と相関することが報告されている。その特徴の一つとしてステロイドや炎症性サイトカインによる骨形成抑制機序が挙げられる。骨形成促進作用を有するテリパラチド連日投与製剤(以下TPTD)のRAに対する有効性を、疾患活動性や併用薬剤などの背景因子との関連を含めて明らかとすることを本研究の目的とした。大阪大学とその関連病院でTPTDによる加療を行ったRA患者70名(平均68.4歳/腰椎T-Score -2.5/大腿骨頚部T-Score -2.7/DAS28-CRP 2.8/プレドニゾロン(PSL)内服量4.4mg/日/PSL内服率84.3%/ビスフォスフォネート(BP)治療率77.1%/BP治療歴3.9年/生物学的製剤併用率25.7%)と閉経後骨粗鬆症(以下Porosis)患者62名(平均71.3歳/腰椎T-Score -3.0/大腿骨頚部T-Score -2.5/BP治療率77.4%/BP治療歴3.4年)を対象とした18か月の前向き調査を行った。興味深いことにRA群においては大腿骨頚部の骨密度は内服PSL治療年数と有意に負の相関を示す一方、Porosis群と比較してTPTD投与1か月後の血中骨形成マーカー[PINP・BAP・ucOC(非カルボキシル化オステオカルシン)]濃度が有意に上昇し、また大腿骨頚部の骨密度が12カ月後より有意に増加することが明らかとなった。またRA患者においては過去にTPTDによる骨密度増加予測因子として報告されているPINPやBAPよりも、治療開始時(大腿骨頚部)や投与3か月後(腰椎)のucOC濃度や増加量と強い相関を示すことが明らかとなった。
また、骨形成マーカーの経時的増加はPorosis患者ではBP治療歴やBP治療年数と強い負の相関を示す一方、RA患者ではBPよりも開始時のPSL内服量と強い負の相関を示し、かつ生物学的製剤の併用と正の相関を示した。また18か月後の大腿骨頚部の骨密度の増加はTPTD導入時のPSL内服量と負の相関を示す傾向と、CRPやDAS28-CRPなどの疾患活動性と正の相関の傾向を示した。
以上の結果より、RA患者のTPTD治療において、①ステロイドは骨形成マーカーの増加や大腿骨頚部の骨密度増加を抑制する ②疾患活動性が高いほど大腿骨頚部の骨密度は増加する傾向にある ③生物学的製剤との併用は骨形成マーカーを有意に増加させる ④Porosis患者と異なりucOCが最も強い骨密度増加予測因子となり得ることが示唆された。

蛯名 耕介

蛯名 耕介

蛯名 耕介

蛯名 耕介

著者コメント

RAに対するTPTDの効果を検討した論文は過去に報告がなく、自らがその効果を知りたいと考えたことが本研究を始めたきっかけでした。膨大なデータの収集と解析には非常に多くの苦労が伴いましたが、多くの皆様の支えにより論文として完成させることができました。我々のグループの研究は臨床から課題を抽出し、それを基礎研究で解明し、臨床へ還元するという姿勢で行っております。今後も真に人類の健康に貢献できるような研究を目指して参りたいと考えています。最後になりましたが、日頃より研究を御指導・御協力頂いています吉川秀樹教授、並びに大阪大学整形外科の皆様方にこの場をお借りして心より感謝申し上げます。(大阪大学大学院 医学系研究科 整形外科・蛯名 耕介)

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