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ラットDMP1に対する新規サンドイッチELISAの構築と加齢に伴う血中DMP1値の変化

Novel sandwich ELISAs for rat DMP1: Age-related decrease of circulatory DMP1 levels in male rats.
著者:Sato S, Hashimoto J, Usami Y, Ohyama K, Isogai Y, Hagiwara Y, Maruyama N, Komori T, Kuroda T, Toyosawa S.
雑誌:Bone. 2013 Dec;57(2):429-36.

佐藤 淳

論文サマリー

Dentin matrix protein 1 (DMP1) は、骨細胞が特異的に産生する骨基質蛋白質で、骨の石灰化促進やリン代謝の制御に関与すると考えられているが、その生物学的意義は完全に解明されたわけではない。本研究では、全身骨格におけるDMP1の発現変化をモニタリングできるよう血中DMP1を測定するサンドイッチELISAを作製し、DMP1の生物学的意義の検討を試みた。まず、血中にDMP1が存在することを、ELISAに使用した抗DMP1抗体を用いたアフィニティーカラムを用いてラット血漿中から免疫反応物を回収し、液体クロマトグラフ質量分析(LC-MS/MS)によりペプチドマッピングして確認を行った。次に、DMP1は分泌過程でN端の37kDa断片とC端の57kDa断片に切断されるため、N端断片を主に認識するELISA1-2と、C端断片を主に認識するELISA4-3を作製し、加齢における血中DMP1測定値の変化を検討した。2-96週齢雄ラットから採取した血漿をELISA1-2とELISA4-3を用いて測定した結果、血中DMP1測定値は加齢に伴い低下する傾向が認められた。また、2-12週齢の骨格成長期 には、ELISA 4-3によるDMP1測定値は、ELISA 1-2による測定値より高値を示したが、骨格成長後にはその差は認められなくなった。DMP1と他の骨代謝マーカーとの相関性を検討すると、DMP1はDkk-1(ELISA1-2: r=0.921, ELISA4-3: r=0.910)と最も高い相関性を示し、次いでosteocalcin(ELISA1-2: r=0.8, ELISA4-3: r=0.833)と高い相関性を示したが、Trap5b(ELISA1-2: r=0.515, ELISA4-3: r=0.512)との相関性は高くなく、DMP1は骨形成マーカー になると考えられた。以上から、骨細胞が特異的に産生するDMP1を血中でモニタリングするELISAは、骨細胞機能を 反映する骨形成 マーカーとなることが示唆された。さらに、本研究で開発されたDMP1測定用ELISAは、健常および疾患動物におけるDMP1の発現変化をモニタリングすることにより、今後、骨の基礎科学のみならず骨疾患等の臨床科学にも貢献できるツールとなることが期待される。

佐藤 淳

著者コメント

私がDMP1の研究を始めた当時は、それほど着目されていない基質蛋白質でしたが、骨細胞に特異的に発現するというDMP1の転写調節領域を利用したマウスジェネティクス研究が頻繁に行われるようになって注目されるようになり、私も未知の細胞である骨細胞との関連で興味深く研究に取り組むことができました。また、血中DMP1の証明やサンドイッチELISAにおける抗体の組合せには試行錯誤を繰り返しましたが、豊澤先生や共同研究者とも議論を重ねてなんとか結果を出すことができました。本研究はさまざまな人との繋がりにより出すことができた成果であり、関わって頂いた方々に心から感謝致します。(大阪大学大学院歯学研究科口腔病理学教室・佐藤 淳)

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