日本骨代謝学会

The Japanese Society for Bone and Mineral Reserch

JP / EN
入会・変更手続
The Japanese Society for Bone and Mineral Reserch

Event/イベント情報

Book/関連書籍のご案内

member/会員ページ

1st Author

TOP > 1st Author > 宮岡 大知

テリパラチド毎日製剤は腰椎骨密度よりも早期にTrabecular bone socre (TBS)を改善し、ミノドロネートによる後療法はその改善を維持する

Effects of Teriparatide and Sequential Minodronate on Lumbar Spine Bone Mineral Density and Microarchitecture in Osteoporosis.
著者:Miyaoka D, Imanishi Y, Ohara M, Hayashi N, Nagata Y, Yamada S, Mori K, Emoto M, Inaba M.
雑誌:Calcif Tissue Int. 2017 Jun 6. doi: 10.1007/s00223-017-0295-y. [Epub ahead of print]

宮岡 大知
今西康雄先生(左)と筆者(右)。ポスター発表したENDO2016ボストンで撮影

論文サマリー

 Trabecular bone score(TBS)は、腰椎DXA検査画像における各ピクセルの濃度変動を表すテクスチャー指標で、海綿骨微細構造を反映し、骨密度(BMD)とは独立した椎体骨折の予測因子となる。2年間のテリパラチド(TPTD)治療により、ビスホスホネート治療と比較して、腰椎骨密度(LS-BMD)とともにTBSが改善したことが報告されているが、これらパラメータの経時的変化の詳細は明らかではない。そこで我々は、原発性骨粗鬆症患者における、TPTD連日投与とTPTD終了後のミノドロネート(MINO)投与による、LS-BMDとTBSの変化を検討した。

【対象・方法】
本研究は、LS-BMD T score -2.5未満、または少なくとも1カ所以上の既存椎体骨折のある原発性骨粗鬆症患者28名を対象とした。TPTDによる治療を最長で24ヵ月間行い、少なくとも12ヵ月間のTPTD治療を完遂できた参加者は、MINO月一製剤の経口投与に切り替え、更に12ヵ月間治療継続した。LS-BMDの測定にはQDR-4500Aを、TBSの解析にはTBS iNsight softwareを使用した。椎体骨折の有無は胸腰椎側面エックス線による半定量的評価法を用いて評価し、椎体変性や椎体骨折を認めた領域は、LS-BMD測定とTBS解析から除外した。

【結果】
26名の患者が少なくとも12ヵ月間のTPTD治療を完遂し、26名中19名が12ヵ月間のMINO治療を受けた。平均年齢67.8歳、LS-BMD T-score-3.06、TBS1.197であり、約80%が既存椎体骨折を有していた。LS-BMDは、TPTD投与後6ヵ月で有意に増加し(0.024 ± 0.006 g/cm2)、12ヵ月後にはさらに増加した。一方、TBSは、TPTD投与後3ヵ月で有意に増加し(0.035 ± 0.011)、12ヵ月後まで維持された。TPTD治療により、LS-BMD (10.3 ± 1.8%)およびTBS (4.80 ± 1.2%)は有意に上昇し、MINO治療により、TPTD治療で改善したLS-BMD (0.48 ± 1.2%)とTBS (0.24 ± 1.0%)は12ヵ月後も維持された。また、TPTD前治療の期間が18ヵ月以下の群においては、MINO治療により、LS-BMDは有意な更なる上昇を認めた。

【考察・結論】
テリパラチド治療において腰椎骨密度より早期にTBSが改善したことは、これら2つのパラメータが骨強度に対する異なる反応を測定しており、海綿骨微細構造が石灰化より早く改善することを示唆した。また、テリパラチド治療後のビスホスホネートは、改善したLS-BMDとTBSを維持するのに有用であった。

宮岡 大知
Figure1:TPTD投与12ヵ月間におけるLS-BMDおよびTBSの経時的変化

宮岡 大知
Figure2:TPTDとMINO投与後のLS-BMDおよびTBSの変化

著者コメント

 本研究は私自身大学院生となって初めて携わらせて頂いた臨床研究であり、この研究を通して、初の国際学会参加およびポスター発表、そして論文投稿まで貴重な経験をさせて頂きました。データ収集や解析、論文検索、英語論文の構成など、全てが初めてのことで多くの苦労がありましたが、研究成果が論文としてかたちになった時は非常に感慨深いものがありました。論文化に際し貴重なアドバイスを与えて下さった稲葉雅章教授、また直接指導頂いた今西康雄先生にこの場を借りて御礼申し上げます。これからも世界に研究成果を発信してゆけるよう、精進したいと思います。(大阪市立大学大学院医学研究科 代謝内分泌病態内科学・宮岡 大知)